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夏目漱石『こころ』ゆかりの地をめぐる — 鎌倉と東京

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『こころ』の語り手が「先生」と出会う実在の海岸から、物語の最も悲しい場面の舞台となる東京の墓地まで。そこは、夏目漱石自身が眠る場所でもある。

こころ

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夏目漱石

『こころ』(1914年)は、日本国内では漱石の代表作として最もよく知られており、高校の国語で最初に扱われる作品であることも少なくありません。若い語り手が、「先生」とだけ呼ぶ年上の男性と親しくなり、やがて先生が若い頃の裏切りから抱え続けてきた罪の意識を、少しずつ知っていく物語です。物語は鎌倉の海岸から始まり、東京のある墓の前で幕を閉じます。このシリーズの中でも珍しく、この二つの実在の場所のうち一つは、漱石自身も最終的にたどり着いた場所でもあります。

立ち寄り先1: 由比ヶ浜(鎌倉) — 語り手が先生と出会う場所

物語は、夏休みで鎌倉の由比ヶ浜で泳いでいる語り手の場面から始まります。そこで彼は、人混みから離れて立つ「先生」の姿に初めて気づきます。これは、この海岸についての最も一般的で、頻繁に引用される実在地の特定です。日本の研究でも、由比ヶ浜と直接名指しされることが多くなっています。ただし、本文自体には海岸の名前が明示されていないため、隣接する材木座海岸を挙げる、少数の地元説もあります。いずれにせよ、訪れるべきはこの一帯の海岸線です。二つの浜はすぐ隣り合っています。

立ち寄り先2: 雑司ヶ谷霊園(東京) — 小説と漱石の実人生が交わる場所

物語の後半、先生は東京・雑司ヶ谷にある墓地に、亡くなった友人Kの墓参りに毎月訪れます。この地名は、本文中に直接記されています。この立ち寄り先が特別なのは、夏目漱石自身も実際にここに眠っているという点です。1種14号にある、ひときわ背の高い、肘掛け椅子のような形の墓が、漱石の墓です。

文学研究の中には、小説に描かれた墓参りの場面が、漱石自身の日記の記述とほぼ一致することを指摘するものもあります。漱石は、この小説を書くより何年も前に、幼い娘の墓参りのために同じ墓地を訪れており、その時の日記が下敷きになっているというのです。実際の悲しみが、ほとんどそのままフィクションに織り込まれています。

立ち寄り先3: 小石川(東京) — 先生が暮らしたとされる界隈

小説の中で、先生が暮らす界隈の地名は明かされません。ですが、本文に描かれる散歩の道筋——伝通院の前を通り、植物園の縁を回り、富坂へ向かう——から、読者たちはその家を、現在の文京区にあたる小石川に位置づけてきました。作中に登場する植物園は、実在し、一般にも公開されています。東京大学が管理する「小石川植物園」で、文学的なつながりを抜きにしても、散策にふさわしい心地よい場所です。

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